☆ 豚がいた教室

俳優、特に子供たちの演技のすばらしさに比べて、ストーリー、演出、音楽、どれをとっても今ひとつの仕上がりであるのは、「おくりびと」同様、今の日本映画の弱さだろうか。

それはそれとして・・・、この映画は実話を基に作られている。

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大阪の小学校で、最終的に食べることを目的として豚を飼育するという体験教育が実際になされたそうだ。

アマゾンの視聴者コメントによると、最初は児童の全員が屠殺することに反対したそうで、それではあまりにも無責任とのことで保護者からの反発があり、教室で再議決したところ16対16で意見が分かれたとか・・・。

映画では、「命の向き合い方」が重視されているが、問われるべきは、「命の向き合い方への向き合い方」であろう。

命とは区別するものという社会的な認知がなされている肉食文化では、情愛との矛盾や良心の呵責からは、最初から解放されている。しかし、四つ足動物の畜肉文化が無かった日本では、全ての命は同じととらえた上で、その命を奪うことでしか生きられないと考える。だから「ただひたすらに感謝する」という、厳しい立場を貫かなければならない。

これは、どちらが良い悪いという問題ではなく、考え方の違いであり文化の違いである。後者の方が、つらく苦しいに決まっている。だからこそ、家畜の屠殺が食生活と結びついて考えられることは普通は無いわけだし、日本の農家から「家畜屠殺権(屠畜権)」が実質的に剥奪されていることと無縁ではないと思う。

畜産農家が、自ら家畜を屠殺し、ハムやソーセージを作って直売するのが当たり前の文化ならば、こんな法律が出来るわけがないからだ。

そう考えれば、この大阪の実話は、無謀な取組みであったと言いきれるだろうか?動物を食肉用に割り切って育てるという感覚は、実は日本人には、そもそもなじまないのだから。

この映画の最も残念なところは、そのような「命への感謝」を、描ききれなかったことではないだろうか?

[アマゾン映画評]

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